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ジラの夏②~嫌われトカゲの一生~

各国の業界人が袋叩き!! 

👇👇前回の記事です!まずはコチラをどうぞ👇👇

 

当初、ハリウッド版ゴジラリメイクを手掛ける予定だったのは

ヤン・デ・ボン氏だった事は、前回記述した通りです。

実は彼以外にも、監督の有力候補がいらっしゃいました。

 

その当時の監督候補はと言うと…

ティム・バートンジェームズ・キャメロン

スティーブン・スピルバーグジョン・カーペンター

ポール・バーホーヴェン等々、実に錚々たる顔ぶれ。

 

しかし、特撮に対する愛が深過ぎる為、いずれも実現出来ませんでした。

キャメロンとスピルバーグ両名に至っては

「ゴジラを作るなら、フィルムに究極の完璧さ求める事になる」

という理由で自ら辞退した、という熱い逸話があります。

 

一方のエメ公。

彼はゴジラに大した思い入れも無かった事に加えて、

「ID4」の後に取り組む予定だったプロジェクトを中断させられ、

突如、ブサイクイグアナ製作に放り込まれた挙句、

東宝とトライスターの軋轢に揉まれ、製作の進捗も芳しくなく

「この脚本とデザインなら東宝も諦めるだろ…」と提出した

内容がまさかの本採用になって呆れたり、と

かなり投げやりな姿勢だったそうです。

 

’92年に企画が立ち上がったゴジラリメイク企画。

'98年の夏、ようやくその姿が劇場で解禁。

「Size does matter.」の煽り文句。加えて大型バスや高層ビルの看板に

「怪獣の足のサイズはこんぐらい」とか「怪獣の頭はここまで届く」など

アメリカ側の広報が巧みであった事もあり、客足はとても多かったとの事。

 

全世界で4億$の興行収入を集める事に成功。しかし、その評判は…

皆さんご存知の通り袋叩きとなりました。

 

まずアメリカ側と日本での「怪獣観」の違いから

劇場へ足を運んだ多くの観客が戸惑い、加えてNYで暴れまわるイグアナと

直接関係の無い与太話ばかりで、まるで真剣さの無い人間側のドラマに

憤慨するファンが大勢いました。 

更に業界人の声の辛辣さは、その上を行く凄まじさで…

 

ジョン・カーペンター監督「最低だ!!」

(ホラー&SF映画の雄。日本でのゴジラ特別番組にてぶっちゃける)

 

中島春雄氏、薩摩剣八郎氏「ゴジラじゃない」

(両名ともゴジラ常連スーツアクター。共に鑑賞後、感想を求められ)

 

土屋嘉男氏「あれは只のイグアナだ!」

(ゴジラのアクターも務めたマルチタレントな演者。米開催のファンイベントにて)

 

ギャレス・エドワーズ監督「あれは本当のゴジラ映画ではない…」

(2014年版ゴジラ製作講演より。'98年ゴジラについて聞かれ)

 

スティーブン・スピルバーグ(殺意の波動)

「生涯に渡り、この映画を見る事は無いだろう」

(生粋のゴジラマニア。エメに電話で「ゴジラ作るな」と警告もしたほど)

 

当時、アメリカではイグアナを「ゴジラ」と呼ばずに

"GINO" Godzilla Is Name Only(直訳:名ばかりゴジラ)

という、何とも不甲斐ないニックネームを頂戴したそうな。

イグアナが去った後の余波

日本のみならず各国で「やっぱゴジラは日本だわ…」という声が高まり、

平成ゴジラを牽引して来た富山省吾プロデューサーの元、

それまで休眠状態だったゴジラが、2000シリーズとして

再誕するきっかけにもなりました。 

 

日本のゴジラシリーズでは、不細工イグアナが完全な別個体とされ、

北村龍平監督作品「ゴジラ FINALWARS('04 日本)」では、

オーストラリアに現れたイグアナが、御本家相手に文字通り「秒殺!」されてます。

その他、「ミレニアム('99 日本)」の宿敵宇宙怪獣オルガのデザイン案は、

ブサイクイグアナを元に構成され「アメリカ駄目ゴジを日本のゴジラが打倒する」

という裏コンセプトが秘められています。

一応の収益は出たものの、あまりの酷評ぶりにトライスターが計画していた続編は打ち切り。

劇場シリーズに用意こそしていた物の、結局活かされず

お蔵入りとなったリメイクゴジラのアイディアやデザインは急遽、

「ゴジラ ザ・シリーズ('99~'00 米)」のTVアニメ企画へと移行されました。

(このアニメシリーズですが、皮肉にも出来が良く好評を博す事に)

 

その後、エメリッヒと当時のプロデューサーである

ディーン・デヴリンは釈明に追われる羽目に。

『実は「原子怪獣、現る(The Beast from 20,000 Fathoms '53 米)」や

「水爆と深海の怪物(It Came from Beneath the Sea '55 米)」、

その他、レイ・ハリーハウゼン氏の特撮映画のリメイクを目指していたが、

資金難に陥り「ゴジラ」のネームバリューを借りたのだ』

という、何とも情けない裏事情が露呈する事となりました。

 

しかし、それならそれでゴジラに頼らずとも良かったハズ。

ブサイクイグアナの子供たちが、大暴れする劇中の終盤を観るに

単純に「ジュラシックパーク('93 米)」の二番煎じで

柳の下のドジョウを狙ったような作風です。

むしろスピルバーグの本家ジュラシックパークシリーズにこそ、

ゴジラに対する、オマージュや小ネタが多く散りばめられてると思います。

 

エメ公自身、製作自体に反発しヒドく消極的だった事は良く知られ、

「ゴジラでは無く、別なパニック映画を製作する予定だった」

「そっちを優先させてくれればアルマゲドンをも凌駕する大作に出来た」

「日本のゴジラは一部のマニア向けでしかない」

「私が求めたのは世界に通じる新たなゴジラ像」

「これほどの興行成績があれば成功と言えるのでは?」

とファンにとっては、暴言に等しいコメントが飛び出した事も。

 

一方、一応の罪悪感(?)も感じてはいるらしく、

「日本のファンが見たら不愉快に感じるだろうとは思っていた」

と、日本の特撮特番へコメントを寄せてます。

ブサイクイグアナの再評価

はっきり言います。コイツを再評価??

……嘘だろ?

 

「パニック映画としてなら及第点」との意見もあるようですが、

正直、とてもそんな風に思えません!!

 

シンプソンファミリーのカメオとか、当時ウケてたダグ・サヴァントとか、

シスケル&エバートのそっくりさんとか、下ネタとか、

何か妙なテンションのジャン・レノとか、ギリシャ読みの難しさとか、

怪獣が街を壊す所を観たいのに米軍が破壊の限りを尽くしたりとか、

NYを闊歩する巨大怪獣を簡単に見落としたりとか、

ありきたり過ぎるシナリオ構成とか、

米軍が入手したVHSに矛盾があったりとか、

イグアナの顔面ドアップ多用が「鼻デカ犬」とダブったりとか、

エメ公得意のステレオタイプむき出しな登場人物とか、

マリア・ピティロの演技がもうどうしようもない、とかとかとか‼!

 

なんだこの映画ゴミの寄せ集めかよ。

悪い所しか見当たらないとか相当だぞ…

 

ちなみにシスケル&エバート(イーバートとも)はアメリカで大変に著名な映画評論家のコンビ。

彼らのユーモラスで時に毒を含むレビューはウケまくり、観衆は熱狂。

「Sneak Previews」→「At the Movies」→「Siskel&Ebert &The Movies」と

番組規模を大きくし、映画に対する多様な価値観を広める事となりました。

 

そしてこのお二方、設定考証がテキトーなエメリッヒ映画に毎度難色を示しており、

「スターゲイト(Stargate '94 米)」、「インディペンデンス・デイ(ID4 '96 米)」、

と立て続けに公開される彼の映画を番組内で酷評。

 

これに反発したエメ公、ソックリさんをイグアナの脇役に登場させ、

無能な市長とその側近としてキャラクターを創造しました。

(ラストのサムズアップ→サムズダウンの流れは、彼らの番組のイコン)

しかし、このソックリさんも、まぁとにかく滑ってます。

 

案の定、シスケル&エバートは不細工イグアナ鑑賞後、

「わざわざ怪獣映画に私たちを出すのであれば、

怪獣に喰わせるか、踏みつぶすくらいはしてほしいね」

と、実に痛烈に皮肉ってます。お見事!!

 

皆さんお分かりの通り、'98年ゴジラリメイクは映画史に爪痕を刻む黒歴史となりました。

これがきっかけとなり「怪獣映画」は、一時期ハリウッドで敬遠される事となります。

 

現在はパシリムやクローヴァー、ギャレゴジのおかげもあって

少しは「KAIJU」の名誉も、回復を伴って来たかなぁと感じます。

 

しかし、まだまだ足りません‼もっと色んな怪獣をこの目で拝んでみたい‼!

それが本音です。

 

次回はギャレゴジやエメゴジ、その他の巨大怪獣を比較し、

誰もが納得する「理想の怪獣像」に迫りたいと思います。

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