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血を吸う大地のよろずブログ

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ロス市警の異常な日常を乾いた画風で魅せる‼デヴィッド・エアー監督作「エンド・オヴ・ウォッチ」!

マイナー映画 マイナー映画-クライムサスペンス
基本情報

原題:End of Watch

製作年:2012年

監督・脚本:デヴィッド・エアー

製作主導:エクスクルーシブ・メディア,クライヴ・フィルム,CECTV

製作国:アメリカ

 

登場人物

白人警官ブライアン・テイラー:ジェイク・ギレンホール

ラテン移民警官のマイク・ザヴァラ:マイケル・ペニャ

ブライアンの婚約者ジャネット:アナ・ケンドリック

ラテン系の女性警官オロスコ:アメリカ・フェレーラ

LAPD巡査部長:フランク・グリロ

メキシコ系ギャングスタの"ビッグ・イヴル":モリス・コンプト

同じくメキシカンギャングスタのララ:ヤヒラ・”フラキス”・ガルシア

 

あらすじ

警官の制止も聞かず、エスカレートしたカーチェイスの果て、

運転していたアフリカ系のチンピラを銃殺したテイラー(ジェイク・ギレンホール)

とザヴァロ(マイケル・ペニャ)の二人。

判事から「正当防衛」が認められ、ようやっと現場復帰と相成った二人だが

ロサンゼルスに漂う不穏な空気は以前より増し、強く色濃くなっていった。

 

復帰後、テイラーがきまぐれで始めた勤務風景の『撮影』。

相棒ザヴァロと街中で抱える案件は度々大事に発展したが、

その活躍が認められ勲章も賜り、ついでにちゃっかり彼女もゲットした。

何もかもが順調で、自由だった。

 

しかし、熱く乾いたロスには未だ凶暴な牙が隠されている。

ストリートで猛威を振るうメキシカンギャング達。

普段のパトロールでは到底ありえない異様な光景が、LAPDを震撼させる。

凶悪な暴力の波は、二人の都合など御構い無しに、いよいよ眼前まで迫っていた。



レビュー「惨劇の始まり、警視の終わり」

オススメ強度:★★★★★

私は非難轟々のスースクも、結構好きなタチなのですが

本作と見比べると「何故こんな風に仕上げる事が出来なかったのか」

と正直ヤキモチしますね。

 

とにかく全編通してソリッドでドライな作風が素晴らしい逸品!

ご覧頂ければお分かりの通り、テイラーがあっちこっち仕込んだ

カメラ越しの映像という体の為、あえてザラザラした撮影の質感を残してます。

実際、一部はライブアクションカメラで撮った映像をそのまま本編に起用してます。

 

一方、夜景を映すシーンでは明らかに高精細・高感度のクソ高そうなカメラも使用。

空撮やブライアンの瞳に夜景が反射して滲む場面等は、画質やフレームレートが

違い過ぎて「ホントに同じ映画か?」と疑うほどです(笑)

Blu-rayなら、その違いがより一層実感出来る事かと思います。

 

googleで「LAPD 装備」と検索すると、フツーのパトカーでも

アホみたいな重装が積載されている様子が解ります。

劇中でも二人が復帰後の初のパトロール開始時、全員揃ってショットガンを持ち寄り

各々のパトカーに乗り込みますが、私達の視点からだと少々大袈裟に映ります。

 

しかし、劇中の二人が目にする光景を前にすると「こりゃ仕方無いわ…」と納得。

ロサンゼルスの土地柄は、私達の生活から程遠くかけ離れており、終始唖然。

茹だるような画面の熱も伴って頭がクラクラします。

それにプラスして、通常の海外ドラマだとスタイリッシュに映されがちな刑事や

特別捜査班が事情も知らせず、我が物顔で所轄から仕事をかっさらっていく

嫌味な冷たい連中として描かれている点も面白いですね。

 

ロスの狂気を描く一方、テイラーとザヴァラの穏やかな日常にもクローズアップ。

ザヴァラは婚約者が出来たと語るテイラーに、家族や親類円満の秘訣や

夫婦仲を良好に保つアドバイスを熱く伝授しますが、テイラーはやや辟易気味。

遊びが過ぎる上に結婚に踏み切る事を躊躇う「女は星の数程いる」なテイラー。

対照的に学生時代から続く、一途な恋が実り結婚したザヴァラは彼を理解出来ません。

 

そんなテイラーもようやく踏ん切りがつき、婚約者ジャネットと無事に結ばれました。

結婚式で新郎新婦二人が踊ったり、酔った(?)ザヴァラの嫁さんギャビーが突如

下品な下ネタをまくし立て、暴走したりと普段の仕事が嘘かと思う程、楽しい時間。

しかし、ロスの街並みは二人を容赦無く呑み込んで、暗い場所へと導きます。

 

若干ネタバレしますと、この映画ハッピーエンドで終わってくれません。

視聴する際は念の為、体力に余裕がある時が最適でしょう。

まとめと解説

とにかく動と静明と暗躁と鬱を織り交ぜた目まぐるしい作風。

ワーナー側がDCEU拡張の折、エアー監督側に求めたのは

まさしくこのメリハリ感だったと痛感しますし、

それに画面がパッパッと矢継ぎ早に忙しく切り替わる構成も

今に思えば、アメコミ出身のスースクにこそピッタリだった気がします。

 

メイキングで顔をのぞかせる監督自身は、現在よりも幾分ガッシリした印象で

体力的にも制作意欲も溢れんばかりだった事でしょう。

彼の絶倫ぶりを伺わせるエピソードをここでひとつ。

監督のデヴィッド氏は今作の構想が決まると脚本をわずか6日間(!?)で仕上げ、

主要キャスト候補にプロットを直ちに提出。

主役のテイラー巡査を演じたジェイク・ギレンホールも、骨太な筋書きに

二つ返事で参加を表明し、更にロス市警全面協力の獲得にも漕ぎ着けました。

撮影含めたプロダクションも、ほぼ一年強で完了というトンデモない突貫仕上げ!

にも関わらず、この完成度です。

 

封切となった'12年秋口での上映規模はやや小さかった物の、本作は評論家筋から

太鼓判を頂き人気が爆発。同年の冬には規模を拡張し再上映となる異例の事態。

結果的に制作費を上回る興行収入を獲得し、思わぬブロックバスターとなりました。

 

トレイニング・デイの終盤にて

イーサン・ホーク演じるホイトが、メキシカンギャングの家に立ち寄る際に

思わずビビる描写がありますが、今作を観れば如何にラテン系ヤクザが

容赦の無い連中なのか思い知らされます。

しかし、識者によってはこれでもまだ手緩い方なのだそう。ヤバ過ぎんだろ…

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  • 発売日: 2014/04/02
 

 

撮影の都合上、かなりアドリブが多いらしく特に主演二人の掛け合いは

おおまかな流れだけ確認し、後はほとんど素で演技してる風にも見えます。

脇を飾るキャストも活き活きとしてGOOD!

「アグリー・ベティ」でブサカワチャーミングな個性が魅力な

主人公ベティを演じたアメリカ・フェレーラがレズビアンのごっつい

ラテン系警官オロスコ役を熱演。マジかよ…同じ人に見えねぇよコレ…

オロスコの役柄もあって観終わってからもしばらく気付きませんでしたよ!マジで!!

 

その他、巡査部長役のフランク・グリロ氏と業務上で何かとテイラーと対立する

警官ハウザーのデヴィッド・ハーバー氏両名がとても印象的。

テイラーと比較すると消極的な印象すらあるハウザーですが、

ラストを観てからだと、貴方も彼の慎重さを理解出来るハズ。

テイラーもいつか第二のハウザーと成り果ててしまうのでしょうか?

 

そして巡査部長。彼は警官襲撃のような重大な案件を前にしても

余裕すら感じさせる歴戦の警視で、主人公二人組にも度々助言を与えてくれます。

しかし、彼が結婚式で酔い潰れ、目を潤ませて独白するシーンに心打たれました。

ロス市警の所轄は皆、気丈に振舞い続けますが、実際は心の内に

強烈なトラウマがこびりついて、それを拭い去る事が出来ずにいます。

警官達にとってロスの街並みは戦場なのです。

 

ロスの熱く冷たい日々を徹底的に暴くPOVの衝撃作。

是非、ご自身の目でお確かめ下さい。