血を吸う大地のよろずブログ

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珍しくヘタレなリー・ヴァン・クリーフ…「怒りのガンマン/銀山の大虐殺」!!

基本情報

原題:IL GRANDE DUELLO

製作年:1972年

監督:ジャンカルロ・サンティ

脚本:エルネスト・ガスタルディ

製作主導:MountStreetFILM,Corona Filmproduktion,Société Nouvelle de Cinématographie他

製作国:イタリア,ドイツ,フランス

登場人物

元・保安官クレイトン:リー・ヴァン・クリーフ

賞金首フィリップ:ピーター・オブライエン

花嫁エリザベート:ドミニク・ダレル

馬車引きの男:ジェス・ハーン

サクソン長男:ホルスト・フランク(父サミュエル・サクソンと二役)

サクソン次男:マルク・マッツァ

サクソン三男:クラウス・グリュンバーグ

あらすじ

高額な賞金をクビに背負い、追われる身のフィリップ。彼を始末するべく暗躍する悪党ども。そして何故か、賞金首フィリップの身を案じる元・保安官のクレイトン。

一方、町では悪名高きサクソン一家が、いよいよ覇権を握らんとしていた。

サクソン兄弟らは、自分達の父親サミュエルを殺したのは賞金首フィリップその人であると断定し、執拗に彼を付け狙う。

だが、サミュエル・サクソン殺しの真相を知る者は実の所、誰も居なかった。

そんな中、新たな金鉱が見つかったとの報が流れ始める。

サクソンの悪逆から逃れる為、フィリップ達はいよいよ動き出す。

レビュー『随分とナヨナヨしいリー・ヴァン・クリーフの妙』

オススメ強度:★★★★

原題は「偉大なる決闘」だろうか?まだ子供だった頃に視聴したマカロニ西部劇で、何もかも強烈に印象深い一作。

そうは言いながらも、今作には否定的な評が大変多いように感じる。

実際、封切りされた’69~’72年は、いよいよマカロニも末期の時代。今作における一番の問題は、プロットの超御都合主義な展開なのだろう。ラストはまんま、打ち切りマンガの幕切れみたいだ。
加えて、フィリップとクレイトンの二大主人公制なワケだが『どちらかに焦点を絞るべき!!』という意見もそこそこ。実際、主人公が二人居る弊害から、脇役の扱いがかなり雑だと感じる。

花嫁やサクソン一家、町の人々の掘り下げがもっと堅実だったなら、劇中の空気もより引き締まっただろう。 

 

しかしながら、至近距離で放たれた銃弾をで受け止めるクレイトン、

フィリップのアクロバティックな曲撃ちによる冒頭の大立ち回り、

サクソン家の三男坊アダムの「お手上げ」からの早撃ち、

金鉱に向かう住民達を”ノコギリ”で一掃するシーン、などなど…

ケレン味溢れる独特な演出も豊富で、何度観返しても痺れてしまう。

若干ネタバレになるが、クレイトンは真相を知っていた事からフィリップに負い目を感じていたんだと思っている。「結局、クレイトンが何をしたいのか分からない」という評もあるようだが、葛藤を抱え尻込みし続けた結果が劇中の行動なのだろう。

銃を持たせたら一流中の一流なのに、どこかナヨナヨしていてヘタレ気味なリー・ヴァン・クリーフを拝めるマカロニは今作ぐらいだ(笑)

加えてフィリップが最期の決斗にちょっかい入れる場面は、なんだかんだと反発しながらも、クレイトンを救いたいが為にサクソン三兄弟の早撃ちを観越しての物だったようにも伺える。フィリップとクレイトンの関係は、ある意味ブロマンスの様にも写る。

旅の道中の宿、彼がクレイトンに噛み付くも軽くあしらわれてしまい、卓の上で胡坐をかいたまま、うな垂れるように寝静まる姿が特に印象深くすごく好きなカットになった。 

ブロンドの二枚目ながら情に厚く、立ち振る舞いは荒々しく、馬術にも長け更に銃の腕も立つフィリップ。

マカロニの中でもお気に入りのガンマンだ。

 

余談

邦題では「銀山」。しかし、劇中で実際に虐殺が行われた場所は「金鉱」へ続く道になっている。

監督ジャンカルロ・サンティ氏は、偉大なる先駆者セルジオ・レオーネ御大のお弟子さんだったそうな…(ホントかよ…)

一応、モノクロで表現されたサミュエルが殺害されるまでの一連シーンは、確かにセルジオ・レオーネ監督によく似た、引き締まった画風となってはいるが。 

サントラはルイス・バカロフ‼

気だるげな雰囲気のメインがこれまた素晴らしい出来なんだが、エンドロールではどういう訳か別の名前でクレジット。何故だ。それとエンディングテーマがめっちゃ軽快な曲調で超絶拍子抜け。

どうしてこうなった… 

加えて上記の”ノコギリ”等、登場する銃器が何だかおかしな事になっている。ミリタリーマニアにとっては、ある意味必見の西部劇かも。

まぁコレ、マカロニだし…何の問題も無いですね‼(白目)

('19 7/14 加筆・修正)