血を吸う大地ッ!!

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エモの大洪水『マンダロリアン』S2最終話レビュー

STARWARSファンが真に待ち望んだものが全て詰まってる

※ネタバレ注意!!

オススメ強度:★★★★★

泣き腫らした目でコレ書いてます。Disney買収後のSWフランチャイズに大なり小なり難色を示す声が挙がる中、ファブロー&フィローニの「改めてファンが観たかったものへ立ち返ろう」という強い意気込みが垣間見えるエピソード。オリジナル三部作は勿論の事、ローグワンや過去に煌めくSF映画達のオマージュが至る所に散りばめられ、更にディンの独立したドラマとしてもしっかり描き切っている。ギデオンのダークセイバーvsディンのベスカースピアだけでも十分なぐらいだったのに、そこで終わらせなかった製作陣が憎たらし過ぎる。

海外ドラマ、しかも独自要素が多いSFモノに関わらず、S1配信当初からセリフがかなり少なかった『マンダロリアン』だが、ココに来てルドウィグ・ゴランソンのスコアとに輝くライトセイバーの殺陣をメインに据え、セリフを一切排除した後半の思い切った構成は英断だった。いや、マジで貨物室の辺りから涙が止まらなかった…

『マンダロリアン』最終話の画像

思い返せばEP4~6に登場したジェダイ達は、暗黒面側にしてもライトサイドにしても神秘性と言うか何と言うか、とにかく何だか底知れないような雰囲気があった。クルーザーの監視カメラ越しに、冷たそうな船内で正体不明のジェダイが闘う様を観ているあの感じは、過去にルークが見た光景を追体験しているようでここの時点でもう情緒がヤバい。

新三部作など既に銀河の彼方の藻屑。X-ウィング単機で不意に姿を現した"ジェダイ・マスター"ルークこそ、多くのSWファンが追い求め、待ち望んでいた物だったと強く感じる。右手が義手にも関わらず、ダークトルーパーをフォースで容易く圧倒する辺り「流石はスカイウォーカーの血統」と意識させられる。

また艦橋に繋がる通路での戦闘は、間違い無くローグワンに捧げたオマージュだろう。当時はベイダー卿が惨殺を繰り広げる中、兵士たちの決死のリレーで新たな希望が託された。EP6以後、今度はジェダイの絶滅が危惧される中で、グローグーを救う為にルークが闘いに臨むという対比がエモ過ぎる。

終盤、手を伸ばしたグローグーに、ディンがヘルメットを外して応えるカットがある。ルークの登場だけで超しんどかったのに、EP6の「そんな事をしたら父さんが死んでしまうよ…」のセリフが思い出されて震えるように泣いた。ちなみに今回のタイトルは"THE RESCUE"となっている。

S1EP3を監督したデボラ・チョウ曰く「あの時、立ち去らずにベイビーヨーダを救った事がディンというキャラクターにとって大きな転機となった」と語っている。S1からのディンとグローグーの旅を振り返れば、助けられたのはむしろディンの方だったのではと感じられてまた涙。別れ際、ディンの言う"don't be afraid.."がアナキンと母シミの別れを彷彿させ、またしても

R2-D2の登場にも驚かされた。*1EP4~6の間だけで考えると、ルークとR2の二人と馴染みになったジェダイはオビワンより、むしろヨーダの方だったのかもしれない。そうなると、R2がグローグーを見てなんとなく嬉しそうだった理由が分かるような気もしたし、なんならこれ書いてる最中にもまた泣きそうだわ

ペドロ・パスカルは『マンダロリアン』のディンについて、自身のキャリアでも大きな転換点になりそうだとも語っていたが、過去にはやたらラテンの悪役としてキャストされたり、コロンビアで不毛なマ取りしたり中世ファンタジー世界でボコボコにされたりと、かなり殺伐とした役回りが多かっただけに、まさかこんな感情的な演技を披露する事になろうとは思わず、随分と遠くまで来たような感じだ。ファンは勿論だが、他ならぬパスカル本人もかなりの衝撃だったろう。

それと、憎たらしい事に海外ドラマらしく、しっかりとクリフハンガー。グローグーは助かった。でもディンはどうする? ダークセイバーは? 過去に所属していたカルトなクランは? 惑星マンダロワはどうなる?

謎は尽きない。シーズン3を待て(血の涙)

 

更なるサプライズあり

超情報化社会の影響もあり色んなサイトで色んなネタバレが挙がったり、コピーライトをガン無視して本編垂れ流した挙句「フェアユースです!」と言い張る不届き者まで溢れている中、情報を秘匿しつつ、ファン同士で感想を言えるような場所を提供してくれているインフルエンサーには頭が下がる思いだ。

この『マンダロリアン』の配信開始以降は、HelloGreedostar wars explained、そしてSWTのチャンネルにて配信された色々な動画で本編視聴後にも大いに楽しませてもらった。中でも本編を伏せた形で同時視聴と考察を敢行していたSWTに感謝。


(↑58:30辺りからのリアクションにやられてしまった…是非、その目でご覧頂きたい) 

本編見てから動画観て、また号泣してしまった…ありがとう、SWT

またクレジット後にボーナス映像あり。投資家向けのプレゼンでは発表されなかったが、来年冬を目安に"THE BOOK OF BOBA FETT"なるボバのスピンオフの製作が進行中らしい。このドラマにボバが登場してから、その太目な体系をネタにしたイジリが散見されていたが、ここに来てまさかのBOBA=HUTTシンジケート誕生である。ちなみにハットの宮殿でいきなり撃ち殺されたビブ・フォーチュナ役は、EP1やアニメシリーズで同役を担当なさったマシュー・ウッド氏本人との事。*2

そしてもう一つ。去る12月17日、オリジナル三部作でボバ・フェットを演じたジェレミー・ブロック氏が御逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。現在のボバ役を担うテムエラ・モリソンにしても、亡くなられたジェレミーさんにしても、スピンオフの製作は思いがけない物だったろう。どうか向こうでもボバの活躍を見届けていて欲しい。

バッドバッチではフェネックの登場も示唆されている。ロザリオ・ドーソンが扮する新生アソーカ・タノのドラマも楽しみだ。更に1シーズン限定の『オビワン』には、他ならぬヘイデン本人がベイダー卿として再臨するとの報もあり、まだまだDisney+から目が離せない。

*1:と同時に自力でX-ウィングから降りて、自力でブリッジまで辿り着いたらしいR2の嫌味が聴こえるかのようで、そこもまた可愛らしかった。

*2:情報なしにオマケ映像を観るとちょっと可哀想に写るかもしれない。しかし、このビブ・フォーチュナ、SW世界の中でも頭一つ抜きん出たクズ野郎とされている。一撃で仕留められた辺り、むしろボバ側に情があった風でもある。